616 「補色」 1月26日

目を近づけて、赤丸を30秒見つめて下さい。
その後、下の×を見ると青緑っぽい丸が現れます。
これが補色です。

おそらく赤色に慣れさせるために、目が無意識にフィルターをかけているのだと思います。
人の生理的な感覚なので、特別なものでないようです。

黄色の場合は青い丸が見えると思います。




写真で難しいことのひとつに、色の調整があります。
人の感覚に訴える最も大切な要素のひとつかもしれません。

どの色が自分のイメージに合い、かつきちんとメッセージを伝えられるのか。
それを考えだすと終わりがありません。
もう永遠にできそうです・・・。

そしてそれが印刷で再現できる色域なのか、ということも僕たちには必要になってきます。
でもそのあたりも印刷会社の腕前というか、どれだけコダワってくれるか、という
姿勢によっても違うので、何ともいえません。

あそこではできた色再現が、ここではできない、なんてことも普通です。
それゆえ僕たちはどこに入校しても安定しているデータを作らなくちゃいけません、
というか、それができないと、自分でバカらしいですからね。
現場でどんなに頑張っても、それが反映されないだなんて。

屋外であればそれほど問題ないのですが、
僕たちが仕事をするような室内では、赤く色被りすることが多いです。
タングステンや暖色蛍光灯ですね。

そして色見本などで使うエプソンやキャノンのプリンターは写真を鮮やかに見せるため、
初めから暖色よりのセッティングをしているので、ストレートで出すとひどい目にあいます。
世の中、赤くなる要素に満ちているのですよね・・・。

その赤や黄色を消す補色が青であり、シアンと呼ばれる青緑なのでした。


僕のこれまでの経験値でいうと『加工前にどれほど赤みを抜けるか』というのが
実はとても大切だったりします。

味気ないくらい出来るだけ赤みを取り去る、
ということが次の色を乗せるためにとても大切なことなのです。

その後、彩度を上げるのか、もしくは赤みを足すのか。
あるいは緑とオレンジを足して、ネガ調にするのか。
そのベースとして、できるだけ色を抜くことが大事です。

ストレートに入校してしまうと色飽和を起こしがちな、彩度の高い赤も
シアンを足すことで本来の鮮やかな赤が表現できます。

青緑を足して赤がきれいになるだなんて、不思議ですがこれホント。
いつもウソばかりですが、今日はホントです・・・。

印刷会社にもいろんなデータが入校され、偏りがある色遣いが意図的なものなのか、
それともカメラマンの技術不足によるものなのか、判断するのが難しいです。

僕たちからすれば、自分が決めた色にきちんと導いて欲しいですから、
やはり自分で出力する色見本は大事です。

モニターとプリントの色合わせって、ホント、難しいですよね。
でも合った時は、オレって職人だよね、と自画自賛です・・・。

ではまた。











 

615 「西新宿とDVD」 1月22日

朝から新宿のキャノンにセンサークリーニングと、
諸々、簡単な修理に出してきました。

センサーの汚れが取れなくて、でも行く時間もなく、
これでやっと無駄なレタッチがなくなるので、ホッとしています。

自分でできるクリーニングセットのおかげで、キャノンに行く回数はグッと減ったのですが、
でもやはりどうしても自分では取れない汚れがたまにあります。
こんなことが長期ロケで起こると厄介ですよね。
帰ってレタッチしまくらないと・・・・。

センサークリーニングは無料ですが、出しに行く手間を考えると面倒ですよね。
でも一眼レフの構造上、汚れは付くでしょうし、キャノンに通わざるをえません。

後はグリップのラバーがめくれ上がってきたのです。
とりあえずパーマセルで補修はしていたのですが、ついでなので直してもらいました。

そうそうめくれるようなものではないのですが、凍てつくような雪山に放置して、
その後、車に放り込んで結露まみれになったり、熱帯雨林も行ったし、
とても過酷な環境だったのはたしかです・・・すまん。


で、その修理が終わるまで西新宿を散歩。
地下通路はみんなもの凄い早歩きです。
僕のようにボーッと歩いている人はほとんどいなくて、
みんな目的を持って、歩いています。

その地下街に面したビルのショーウィンドーに
かわいらしい絵が描かれた葉書がたくさん飾られています。
筆で言葉も綴られていて、読み応えがあります。

数人のスーツを着た人たちがその葉書をゆっくりと眺めています。
スピード感に満ちたこの街で働きながら、でもこのショーウィンドーの前で足を止めて、
誰かの絵を眺め、書かれた文章をちゃんと読むんだ、と思うとなぜだか安堵感を覚えます。

人はいろんなリズムを持ち、そしてどこでどんな暮らしをしていても、
そのリズムを突き通せるのか、ということはとても大切なことなのでしょうね。



話は変わりますが、仕事しなくてはいけないのにも関わらず、
また映画のDVDを借りてきてしまいました・・・。

忙しい時にかぎって気分が乗らないのですよね。
風邪の病み上がりで集中力がない、というせいもありますが。

以前、カメラマンのH田君が「かわっさん『西の魔女が死んだ』の映画、いいっすよ」と教えてくれました。
新作でレンタルが出たのでやっと借りました。

男カワダマサヒロ、大泣きです。
悲しくてつらいですね。
とても良い映画なので、興味がある方はぜひ観てください。

懺悔したいとずっと思っている、あの時の自分の言葉。
やってしまって悔やんでいる、あの時の振る舞い。
そんな後悔がない人など、おそらくいないのでしょう。

だからこそ僕たちは、丁寧に生きていかなきゃいけない、と思ったりしています。
まったく後悔のない生き方はできないけれど、
でも、そうありたいと思うことはとても大切だという気がしています。

ではまた。






 

 

614 「友人と首都高 台場線」 1月17日

友人のカメラマンがニューヨークから一時帰国していたので、
三茶で昼ご飯を食べました。

たしかレコード会社で働いていたと思うのですが、
写真をやりたくて渡米し、内陸部の大学を出てニューヨークに渡ったと記憶しています。

写真の経験は短いものの、今日ブックを見せてもらったら、
ああ、もうこんなところまでやってきたのか・・・(焦)というクオリティでした。
写真浸けの日々なのでしょうね。

こいつはすごい、というブックに出逢うことは難しかったりするのですが、
今回は「amazing!」といえる出来映えでした。

すごくおこがましい言い方ですが、無理に良い部分を探さなくても
素直な気持ちで「素晴らしい」と言えるのは、いいですね。
ホッとします。


話は変わりますが、先日、千葉で撮影がありました。
新橋で撮影後、レインボーブリッジを通って、千葉の湾岸エリアに向かいました。

仕事を終え、少々、放心状態でいちばん左の車線を走ります。
ふと何かが「関西っぽいな」と思いました。

道路の様子が関西っぽいというわけではなく、
真っすぐな高速を走り続けるというのは、東京ではあまりないのですよね。

京都や神戸で撮影を終えた後、ゆっくりと気分を落ち着かせるように、
帰途につく、というリズムを久しぶりに思い出したような気がします。

東京の場合はほとんど都内の中心で仕事ですから、
渋谷の雑踏を抜け、246をぶっ飛ばし、興奮した状態で三茶に着いちゃいますからね・・・。

でも千葉からの帰り、懐かしいなぁ、と思いながらも、
羽田線の大渋滞と合流し、おまけに事故で箱崎まで80分(5キロほど)で、
首都高ジャムの底力を見せつけられた思いです・・・。
とほほ・・・。


でも台場の手前、有明付近から見た富士の夕暮れは絶景でした。
海と夕景が見える場所は、意外と少ないのです。
たぶん東京で見たいちばんすごい夕景でした。

ではまた。



 

 

 

 

613 「街の成熟」 1月12日

先日、撮影で錦糸町に行ってきました。
もちろん初、錦糸町です。
思った以上にデカイ街でしたね。
普通の地方都市よりも明らかに巨大です。

新聞を持ったオジサンがたくさんいます。
耳にペンを引っ掛け、新聞に見入っている競馬オジサンなのでした。

通りにはベニヤ板で作ったテーブルで、競馬予想をするオジサンもいたり。
どうやらJRAが近くにあるようで、オジサンたち、興奮気味です・・・。

他のエリアではあまり見かけない種の人達がおおく、ちょっとウキウキです。
不良という感じではないのですが、少々、自堕落な雰囲気がとても良いです。

僕たちが住んでいる気取った山手エリアなんかよりも、よほど気さくで、グッドです。
もちろん山手にも良い人達はたくさんいるのですが、接し方が違うのでしょうか。

不思議ですが、話していても言葉が心に届くんですよね。
何となく関西に近いのかもしれません。
言葉のどこかにちらりと本音がのぞくような感じ。
本音というか、感情でしょうか。

それが冷たいか、温かいかは別にして、
でも人らしさが感じられるというのは、自然ですよね。


じゃあ、そこに住めますか、といわれると、うーん、どうなのでしょう。
職業によるのかもしれません。

もちろん、ここでも良いモノ作りはできると思いますが、、
それだったらもっと適した場所がある、というのが東京なのでしょうね。
そういう気持ちにさせる場所、とでもいうのでしょうか。

関西は住む場所について、それほど深く考えることもなかったですが、東京は違いますね。
家という空間を借りるだけではなく、そこには街も付随しているということでしょう。
その家のまわりにはどんな街が広がってるのか。

もちろんどこで暮らしていても、それは同じですが、
でも東京は突出していますね。
ひとつひとつの街がぜんぜん違います。
それゆえ住んでいる人々も生き方もまた違うわけだし、
でもそれが面白いんですよね。

混沌としたこの巨大な東京が、それなりの秩序を持ってまとまっているのは、すごいと思います。
時間をかけて成熟してきたということなのでしょうね。

ではまた。

 

 

 

612 「青山墓地でスイッチ」 1月8日

先日、知り合いの方のミニに同乗させていただいた時、
車が青山墓地を通過して行きました。
ああ、そういえば昔、スイッチの編集部がこの辺にあったな、と。

まだ20代前半だった頃、友人の紹介でそこを訪ねたことがありました。
たぶんスイッチに最も勢いがあった時かもしれません。

僕がそのとき持っていったものは、外国で撮ったろくでもない写真と
拙い文章の旅行記のようなものでした。
今、考えるとほんとに恥ずかしいです。
穴があったら入りたい・・・これ、ほんと。
無知って、すごいですね。

当時のスイッチは写真家の繰上和美さんがライカを使い、
同じく写真家のロバートフランクを撮影する(たしか・・)とか
そんな内容だったのですよね。

編集部は機能的というよりも、木を使ったような作りで(たしか)
北欧の冬に薄暗い室内で仕事をする、クリエイターの空間、といった雰囲気でした。

編集長の机の上には分厚い原稿がドスッと置かれていて、
一枚目の表紙には手書きの文字で村上春樹とサインが・・・。

そこに僕はろくでもないものを持って、編集者に会いにいくわけです。
ああ、ほんと穴があったら入らせて・・という感じですよね。
なかば呆れられながらも、でも丁寧に対応していただいた記憶があります。

20代の頃にそうやって人にあったことで、何かが実った、という経験は一度もありません。
ただ中には親切な人も結構いて、もっとこうした方がいいよとアドバイスをいただいたものでした。
そこから、自分ができることと、これから自分が属そうとしている世界との距離を計って、
そうか、僕と世の中とはそんなに差があるんだな、とぼんやり感じていた気がします。

でも当時、そうやって一線で仕事されている人と会えた時間は
今となっては貴重なものだったんだなぁ、と思ったりします。
どれだけ緊張感を持ってモノ作りをしているか。
それを感じられた経験でした。


検索していたらロバートフランクの面白い記事を見つけました。
興味のある方はどうぞ。
http://www.esquire.co.jp/esquire/2007/02/robert1.html


Yさん、青山ドライブ楽しかったです。
ではまた!




 

 

611 「トンカツ」 1月4日

あけましておめでとうございます。
まっさらな年が始まりました。
プチリセットです。

そこに何を描けるのか。
とても楽しみであります、とカッコいいことを書きながら、
今日からジム開きです。

餅を食べ続けたせいでみんな焦っているのか、ものすごい賑わいです。
ランニングマシーンは茶沢通りという、下北沢に向かう商店街に面しているのですが、
窓から見える店舗は靴屋、陶器屋、饅頭屋、トンカツ屋、ケンタッキー(以下KFC)などです。

2年前は運動すると、とにかく腹が減って、でも我慢するわけですから、
トンカツが夢に出てきそうでした・・・。
他のものを食べりゃ、トンカツのことなど忘れる、と頑張って店の前を素通りしていたものでしたが、
あるときから、考えを変えました。
とにかくメチャメチャ運動をして、トンカツやら、ケーキやらを好きなだけ食べようと・・・。

今は好きなものを、好きなだけ食べるようにしていますから
食事を我慢するストレスはないようです。
ただ調子にのるとものすごい食費がかかります。
スポーツ選手がよく言っているのは、こういうことなのだろう、と思ったり・・・。

ここんところKFCが気になっていて、
今日、久しぶりに食べたら、旨かったっす。
さすがに良くできている・・・。
太るものって、どうしてこんなに旨いんでしょうね。


話は少々変わり、僕は関西生まれ、関西育ちですから、
おそらく関西の味でずっと暮らしてきたのだと思います。

薄味で素材が持つ味わいや、歯応えとか、そんなものを重視することが多い土地ですが、
先入観と言うものを持たない僕は、ダシが真っ黒でも、旨けりゃまったく問題ありません。
味覚は土地に根ざしていると思いますから、こだわり続けても、窮屈だし、大変ですよね。

もちろん帰省すれば、ガツンとソースを味わいますが(ソースって野菜からで来てますから、良いのは旨いんですよね)
そこの土地にある旨いものを開拓していく方が、前向きな感じがします。

関西なら、飛び込みで入ってまずい店は、ほぼありません。
つぶれますよね、そんなのじゃ。
でも東京はあるんですよ、まずい店が・・・。
これは信じられませんよね、関西人からすると。
裏切られた、というか、傷ついた、というか、オレを騙したのか、という気分です・・。

オーナーシェフの場合はまずありませんが、商売として経営しているところはたまにあります。
場所や雰囲気が良かったら、やっていけるんでしょうね。
一見さんだけでも商売が成立するほど人口が多いのかもしれません。

それでも、まあハズレがないのは、蕎麦屋、焼き鳥屋、トンカツ屋という気がしています。
蕎麦屋に関しては最近、ちょっと微妙だな、と思うこともありますが・・・。
焼き鳥は逆に、これをまずく作ることの方が難しいのでは・・と思ったり。
トンカツの豚肉も東京文化なだけに、どこに入ってもそこそこ旨いです。

ある時、東京の名店と呼ばれるようなトンカツ屋で食べた時、あまりの旨さに驚きました。
普段、その辺で食べているトンカツとは違う・・と。
レベルが高いんだなぁ、とあらためて思った次第です。

トンカツが食べたくなってきた。
ちょっと食べ行ってきます・・・。
開いているかぁ。


今年もよろしくお願いいたします。
ではまた。


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