757 「ラストロケと友人」 12月29日

群馬県で撮影。
今日で今年のロケは終わりです。

後は年末にかけて溜まったレタッチをして
年始に間に合うよう納品です。

で、またすぐに2011年の仕事が始まります。



少し早く着いたのでダムの周辺を回っていると
桜に似た花が咲いているのを発見。
近寄ってもやはり桜にしか見えません。

聞くところによると冬桜という樹らしいです。
いろんな桜があるんですね。

一緒にバイクに乗っていた友人が東京、横浜を経て
彼のメーカーの本社である関西に戻ることになりました。

ならば最後にメシでも食べよう、と引っ越しの前日、クリスマスの夜
男二人、仕事場近くの中華街に向かう。

恋人同士しか、街には歩いていなくて、男同士はかなり異様。
顔を突き合わせて食べる姿は仲の良い、モーホーにしか見えなかったでしょう・・・。

その後、ニューグランドのバーに移動するものの
カップルだらけで入れず、いろんな場所を巡り
結局、マックでカフェ・・・。



僕も負けん気が無くなって、まだ反射神経が残っている間に
もう一度バイクの世界に復帰しようと考えています。

何年先の話になるか分かりませんが、ハーレーを買って
昔やっていたようにテントと寝袋を積み、日本中を回ってみたい。

初めて車に乗った時は、雨が降っても濡れないことに感動しました。
でも今は濡れていいかな、と思ったりしています。

それが自然かもしれないし
ある程度の不自由さは必要なものだ、と今は考えています。

涙が出るほどの寒い冬の冷たさがあり、
ヘルメットの隙間から入って来る、暴力的な風切り音。

全身を使ってバイクを操作しているというフィーリング。
その緊張と高揚を思い出すと少しドキドキします。



豊かさとは何か、と時折考えます。

ある人にとって最高に豊かだと考えることが
ある人にとっては最もそうでない、ということもあると思います。

人と比べるものではありません。
立ち位置、状況、環境、いろんなものによって変わるでしょう。

ただ僕が思うのは不自由さの中にいるからこそ
自分なりの豊かさが見えて来るのだと思います。

暗闇のような中で、もがき、苦しむことで
そこに見えて来るささやかな光を感じることができる。
そう思います。
いろんな意味において。

僕にとって生きる、ということは時間を消化することではありません。
そこに高尚な価値を持たそうとは、これっぽっちも思っていませんが
でもずっと何かは考えていたいし、自分が豊かだと思うことには近づきたい。



また旅をしようと約束しました。
おそらくお互いが長距離を走って、どこかで落ち合い、
僅かな時間を共に過ごし、そしてまた別れる。

そんな短い時間のために何年もかけて準備することも
また楽しみではあります。

ではまた。












 

 

756 「ハリウッドスター」 12月24日


ものすごく寂れて、こちらが心配になるような
そんなホームセンターが近所にあります。

結構、大きいのに客がいないせいか
店員3人、客3人、75歳くらいのヨボヨボガードマン1人、
で僕という、ものすごい人口密度の低さでありました。

レジで精算していると扉が開いて、お客さんが・・・。
黒っぽい服装、視界の端で見ても大きいのが分かる。

振り向くと視線が合う。
おお、ワタナベケンやん・・・ほんまに・・・。

レジの横を通り過ぎる時にワタナベさん、
もう一度こちらを向き、目が合う。

たぶん僕がモーレツに何か、話したそうに
していたのかもしれません・・・。
お恥ずかしい・・・。

青山や六本木で見たのなら
それほど驚きもしなかったでしょう。

でも暗くて、女性なんて来そうもない、
場末のホームセンターですからね。

ヒデキィ以来の感激です。
いや、ホント。

でも叶うのなら
いちばん逢いたいのは
浜村淳さんなんですよね。

この話はまた別の機会に。





昔、アシスタントとして手伝ってくれていた子から
昨日、久しぶりに電話をもらいました。
「上京しました」と。

年明けには他の連中もやってくるので
新年会をする予定です。

合羽橋のモンジャにしよう。
美味いんだよねー、ここ。

楽しみです。

ではまた。

















755  「ニューカメラ」 12月13日


修理が出来上がるまでのスペアが必要で
昨日、久しぶりに仕事用のカメラを買いました。

握った時の感触は普段のカメラの方が剛性感がありますが
操作性に関しては「なるほど」と感心できることが多いです。


今日、早速、撮影で使ってみました。
まだ使い込んでいないので断言はできませんが
ものすごく進化している模様・・・。

日進月歩の世界ですからね。
それなのにも関わらず、メインカメラは3年買い替えていない・・・。
プチ化石みたいなカメラを使っていたのだ、と今日気付きました。

でもデータの質が少し違いますね。
モニタで見るかぎり、フィルムのポジを拡大したような雰囲気です。
これはどういうことなのでしょうね・・・。




フラッグシップモデルは、まだ登場する気配もなし・・・。
サイクルからすると去年出てもいいはずなのですが
この景気を考えると今、買うのも大変ですけどね。

フルサイズのセンサーよりも少し大きいものを積んで来る・・
という噂をある筋から聞きました。

ホンマかいな・・ですよね。
今までのレンズ使われへんやん、とも思いますが
面白そうではあります。

昔はいろいろ役に立たない機材をいっぱい買って
楽しんでいた時もありましたが、
そんな話がウソのようにタイトな時代になりました。




僕らの仕事環境も来年の終わり頃には、多少良くなるかもしれませんが
でもまったく元のように戻ることは、おそらくないのでは、と。

魅力的なテーマを打ち出せなければ、雑誌は衰退していくだろうし
それと引き換え、ネットの世界の広がりは現在のところ
頭打ちをする気配どころか、アイデア次第では永遠のようにさえ感じます。

ネットの新しい見せ方、新しい取材方法、新しい納品スタイル。
オレは今までこうやってきた!というコダワリだけでは
やっていけないポイントまで、おそらく来ていると思います。

だからと言って、妥協してすり寄った方がいい、という話ではなく
これまでやってきたことを誰にも負けないくらい、とことん突き詰めていく。
それしか生き延びていく道はないのだな、と考えています。




デジタルカメラで感度を上げて、シャッターを押せば
誰でも写真が撮れる時代です。

予算がないからと編集者やディレクターがライターが
撮影するのも今では普通です。

そんな状況で職業カメラマンでいるためには、
人が納得できるだけのものを
提供し続けるしかないのだな、と思います。

本当に厳しい時代です。
でも大きく変われるとしたなら、 きっと今しかないのでしょう。

新しい時代がやって来た時に
頑張って来た人と、そうでない人との差が
明らかになるのかもしれません。




サーフィンを始めた十代の夏。
「来年の夏、ものすごく上手くなっていたいのなら
誰もいない真冬の海で練習し続けるといい」と言われたことがあります。

海岸なんか誰もいないし、水はおそろしく冷たいし
風で千切れそうな指先を握りしめて、海に入りました。

もちろん好きでやったことですが
その時には不毛にすら思える、そんな時間が
後々、効いて来るのだな、と今では思います。






 

 

 

 

754 「カメラ修理」 12月10日 


メインカメラを修理に出しました。
渋谷での撮影を終え、その足で新宿のサービスセンターへ。
多用するボタンが押されたまま、戻らないという症状。

致命的な故障ではないのですが、撮影している間、
それほど意識することなく、何度も押すところなので、
その度、違和感があります。

被写体に集中していた意識が
そのボタンの感触のおかげで一瞬途切れます。

初めはまあいいか、と思っていたのですが(実際、問題ない)
感覚的な部分の違和感に耐えかねて、結局、修理に出すことに・・・。

ボタンだから安いもんだろう、とタカを括っていましたが
背面部分すべてを交換、ということでエラく高い・・・。

しかし直さないわけにはいかないので
10日ほど預けることになりました。

ついでにピントの誤差調整や各部点検もお願いし
リフレッシュして帰って来るそうです。






面倒な修理ではありますが、このカメラを買って、丸3年。
これだけ使い込みながら、一度の故障もないというのも素晴らしいと思います。

センサーの水平が出てなかったり、
油がセンサーを汚し続けたり(イスタンブールではひどい目に遭いました。
ものすごい数の黒点をスタンプツールで消し続けた。これはツラかった・・・)
などはあっても、動かなくなるということは一度もありませんでした。

カメラマン人生で5回ほどカメラを落下させたことがあります。
アスファルトに叩きつけられたカメラは外装が削れ
グリップラバーが剥がれ、もうボロボロ・・・。

でもボタンを押せば、シャッターがカシャリと切れるのですよね。
これまで動かなくなる、ということは一度もありませんでした。

もちろん落とし上手ということもありますが(さすがに5回も落とすと)
酷使することを前提に作られた、プロ機種ということもあるのかもしれません。






これだけ時間を共にすると、
それが機械であれ、尋常ではない愛着が沸いてきます。

このカメラがこの3年間の収入を叩き出してくれているんだ、と思うと
神棚に置いて手を合わしたくなります(ま、神棚はないですが・・・)

買って早々、真冬の南アルプスでは結露しまくり
アフリカでは細かな砂を被りまくり
ヒマラヤではあらゆる条件で酷使されました。

さすがにカメラ神も「ちょっと休ませてくれんかのう・・」
という感じなのかもしれません。

「どうせ行くなら、暖かくて、 乾燥したところなんかがエエのう」
なんて思っているかもしれません・・・。

「ハイレグがいたら、なお良しじゃ」とか
「どうしてアンタはレースクイーンを撮らんのじゃ」とか
思っているかもしれません。

妄想はこれくらいにしときます・・・。

ではまた。




 

 





753 「ヤマナシ ロケ」 12月3日


朝から山梨に。

中央道で半端でない雨に出会いました。
視界はおそらく30mほど。

自分が白線の内側をキチンと走れているのか。
それすら分かりません。

ワイパーをいちばん速くしても
追っ付かない感じです。





と 思ったら、今度は霧で(ヒー!)
命からがら談合坂のパーキングに到着しました。

トラックの向こうに低く垂れ込めた雲が見えますが
その下に中央道があります。
ホンマ、ヤバいれす・・・。

もちろん交通事故が多発。
いろんな場所でクラッシュした車を見かけました。

が、そこは男カワダ。
サバイバルレースを無事にクリア!

やれやれ。

 



少し早めに着いたので編集の方とマックでコーヒー。
久しぶりにソーセージエッグマフィンを食べました。



アメリカにいた頃、お金を貯めて3日に1度食べたものでした。
本当に貧乏な暮らしをしていましたからね。

初めて食べた時は「こんな美味いものがあるのか」と感動したものでした。
当時、日本にはこのメニューはなくて、マフィンという言葉すら
まだ聞き慣れなかった時代だったと記憶しています。

それ以来、何度か食しましたが、かつてのような感激もなく
大人になってそれなりに食が豊かになったせいか、
味覚が変わってしまったのか、と思っていました。


でも今日は、やっぱ美味いじゃん、とヒザを叩きました。
そうだ、あのとき食べたのはこんな味だった、と。
記憶が軽くフラッシュバックしたようでした。

作り方が上手かったのかもしれませんね。


ではまた。



top