892 「エーゲ海」 8月11日




早朝のベニス。

今回,乗り込む客船が入港して来るシーンを撮るため、
夜明けにホテルを発ち、港で待つことに。

入港してくる時間は、「たぶん朝の8時から10時くらい。
まあ7時ってことはないわね」とさすがアバウトなイタリア。

待たせることに全く罪悪感を覚えないザ・イタリア。
地獄の戦いが始まります・・・。



朝6時頃、小さな渡し船に乗って岬の先端に到着。

カフェにでも入ってノンビリ待つか、と思っていたら
いきなり入港してくる巨大な客船。
まさか・・・。



走る!
男カワダ、カメラを持って走る!

もう話が全然違う。
さすがイタリア・・・。



走ったところでやはり船の方が速い・・。

ハアハア言いながら、走ってカシャカシャ撮る!

ハアハア、カシャカシャ!
ハアハア、カシャカシャ!

イタリア人のあほー!



気を取り直して乗船・・・。

2500人が大荷物を抱え、一気に乗るので
そのその混雑具合は想像を絶する。

しかしながら我らはプレスなので
一般客の前に入れる、ということだったのだが
着いてみれば、すでに朝の埼京線を感じさせる様相。

アンド、誰も話を聞かない。
ゴーイングマイウェイ。

これはグズグズしていると生きていけないぞ・・・。
と、このときに旅の波乱を悟る。



写真はそのラッシュをくぐり抜けた後のショット。
1階からはスーツケースが運び込まれている。

やれやれ・・・。



ディカプリオみたいに船底の部屋を覚悟してたが
かなりエエ部屋だったのだ。



窓の外にはテラスにチェアー。
大海原が見渡せる。

しかし座った記憶がないぞ・・・。



テレビを付けると男カワダの名が。
雑なのか,丁寧なのか、よくわからない。



木でできたボート。
シックでカッコいい。

イタリア人のこういうコダワリは
やはりすごいのだ。



ワラジみたいなボート。
不思議な魅力がある・・・。




船は17階建。
吹き抜けのロビーは6階にある。

ここを中心にレセプション、銀行など
核になる施設が広がる。


自分の部屋は13階。

エレベーターはたくさんあるのだが
とにかく人が多過ぎて、ほぼ乗れない。

なのでいつも階段で移動。
ハアハア。

おまけに部屋のカードキーがハズレなのか、
すぐに調子が悪くなる。(結局4回、開かなくなる)

で、階段を7フロアー降りてレセプションへ。
しかしイタリア人スタッフが謝ることはまずない。

日本のホテルなら普通,謝る。
申し訳ございませんでした、と。
そうすればお互いが気持ちいい。




あんた、磁気に当てるとか、
悪いことをしたんじゃないの。

と言わんばかりの無愛想な顔で、
カードを返してくれるのだ・・・。



乗船早々、人がいないうちに
施設の写真を撮ろうとデッキへゴー!

が、すでに子供が遊んでいる・・・。



そうだ、プールだ!
・・・が、すでに誰かが寝転がっている・・・。

ちなみにプールは5個ある。
発見できたのは4つで、1つ見つからなかった。



気を取り直してカジノへ。

潤沢な予算を使い、
カジノ三昧の日々(ウソです)。



ジム。
結構、いつも混んでいる様子だった。

でも早朝のデッキを走っている人の方が
とても気持ち良さげだった。

たぶんグルッと一周デッキ回れば
1キロくらいはあるんじゃないかと思う。



ステージ。

ここはホンマに船の中か・・・と
いうほどのスケール感。

毎晩、ここでいろんな公演が
行われている模様(←行っていない・・・)。



船のスタッフは世界中から集まっている。

ルームメイクは南米からやって来た
ナターリアという若い女子の出稼ぎだった。

たしか9ヶ月、船に乗りっぱなしだと聞いた。

日本はずいぶん恵まれているんだなと
若いスタッフたちを見て、あらためて思う。

母をたずねて三千里の世界がまだ普通にある。





で、このルームメイクの人たち。

タオルを交換したり、ベットメイクを昼用から夜用に変えたり、
一日に3回くらい部屋を掃除してくれる。

撮影から帰って来て、まだ時間があったので
服をベッドの上に脱ぎ散らして
あわててプールに行った。

で、帰って来たらルームメイクが入っていたようで
パンツまで丁寧に畳まれていた・・・。

それが上の写真。

方袖が格好よく折り畳まれている。
パンツはさすがに外した。

あー恥ずかし・・・。



翌朝、日の出。
湖面のようなアドリア海。

南イタリア。

ブーツでたとえれば、
ヒールの付け根付近に到着。



石で出来た屋根を持つ
世界遺産の建築群。

船を降り、バスに乗って
半日ほどその土地を観光する。

この船は世界遺産を巡るクルーズなのだ。



毎日,昼間は撮影で船外に出かけているので
朝、プールで泳ぐことにしていたが、海水を引いているので
ビビるほど冷たい(たぶん10℃台だと思う)。

過呼吸になるほど胸が締め付けられて
とてもじゃないがアタマを浸けられない。

心筋梗塞になりそう・・・。
普通に呼吸ができないのだ。

水が冷たいとこんな風になるのだな
ということを初めて知った。

それでもカラダを温めようと全力で泳ぐ。
が、いつまでも冷たいまま・・・。




泳いでいると日本人の老人団体が水着でやって来た。
(ちなみにまだ朝の6時台。陽がかろうじて、プールの隅に当たっている)

この冷たいプールに入るのか。
溺死してしまうぞ!
と思ったら、ヒーヒー叫びながら入って来た。

陽の当たる隅が僅かに暖かいので
ここに来たらいいよ、とおばあちゃんに教えてあげた。

耳が悪いのか、ポカーンとしたまま。
冷たいでしょ、ここが暖かいから。

「ワタシ、チュウゴクジン・・」
「あ、あぁ・・・」




船は夜移動し、朝に港に到着。

船の旅を楽しむ、という雰囲気はそれほどなく
どちらかというと動くホテル,という方がしっくりくる。



カードキーを機械に読み取らせ,出国。



寄港する場所でいくつものツアーが組まれている。

遺跡見学、ショッピング、ビーチで泳ぐ。
いろんなツアーがある。

もちろん船に残って、寝ていても構わない。
なにしろ乗客は2500人なのだ。



自分と同じ数字のパネルを持ったガイドに着いて行き
それぞれのバスに乗り込む。

しかしながらこのガイドたち、ほとんどイタリア人のようだが
おそろしく喋り続ける。

そして超マイペース。

ガイドが遺跡の入口で喋り続けたせいで時間が無くなり、
最後は駆け足で観光する、なんていうのは毎度。

几帳面な日本人からしたら、
この堂々としたいい加減さは、もはや理解不能。



夕方(夜は10時くらいまで明るい)、
クタクタになって船にたどり着く・・。



海の色がどんどんキレイになっていく。
いよいよエーゲ海に突入なのだ。



サントリーニ島。

たどり着いて、ああ、ここ見たことがある、
といういい加減さ。

海が浅いので、客船は沖合で停泊し
小型の船に乗り換え上陸する。



実際はこんなに人だらけ。

写真を撮るために順番を
待たなくてはいけないのだ。



旅の間はとにかく並ぶ。

サントリーニ島では港に降りるロープウェイで
炎天下の中、1時間半ほど並ぶ。

お年寄りも立ったまま並び続ける。
たぶん日本だったら問題になるだろう。

ここではタフでないと生きていけないのだ。




やっとこさロープウェイに乗り込み、帰れるかと思ったら
今度は港で客船に戻るための小型のボートに並ぶ・・・。

カメラの入った10キロのリュックを背負ったまま。
足元に置くといつ盗まれるか分からないし。



何とかボートで客船に到着すると
そこで下船するための戦いがある。

もう着いたんだから、ゆっくり降りればいいじゃん、
と思うのだが、待っている人を掻き分ける様に進み、
我先に降りる、そんな人たちもたくさんいる。

残念なのはリタイアしたような日本人集団も
同じ様に振る舞っていたこと。

たしかにぼんやりしていると
先を越されてしまう雰囲気はある。

誰も何も譲らない。

そんな空気って伝染するんだなぁと
人々の振る舞いを見て思う。





クロアチアで客船に帰るバスを待っていた。
これも炎天下で1時間以上。

やっと次のバスで乗れそうと思っていたら
バスが到着した途端、どこからともなく団体が
搭乗口に割り込んで来たのだ。

顔立ちからするとたぶんイタリア人。
ドイツ人やアメリカ人はそんなことはしない。

僕の前に並んでいた白人たちは
イタリア人たちに向かって猛烈に吠えた。
横入りするな!追い出せ!と。

このときのみんなのパワーはすごかった。

そりゃそうだ。
みんな暑くて倒れそうな中、
並び続けてきたのだから。

しかしながらイタリア人たちはまんまと、
涼し気なバスの車内に消えていったのであった。

で僕らはまたバスを待つハメに。
やれやれ・・・。



ギリシャ、アテネ。

財政破綻した国なので、襲われないか、
と思っていたら、タクシーがメルセデス・・。

不穏な空気はまったくない。
ホンマに破綻した国なんかいな・・・。




ヨーロッパって結構、税金をちょろまかしたりして
みんなお金をため込んでいるんですよね。

国の政策なんて誰も当てにしていない。
自分の力だけで生き延びるぜ、
そんなたくましさがあります。

日本人はすぐ国に文句を言う感じですが
ということは、信用しているということなのか。

でも昔は日本人ももっと自立していたような
そんな記憶があるんですけどね。

とりあえず自分たちで出来ることは
我々の手で解決しよう、という姿勢が
失われつつあるのでしょうか・・・。



アテネでは白バイが
男同士の二人乗りです。

会話をしながら走っている感じで
不良の高校生みたいで楽しそう。



遺跡はアテネの丘の上にあるのですが
ガイドは入口付近でまたお喋りを始める。

炎天下でダラダラと1時間以上。

団体から離れ、勝手に撮る,という手もありますが
あまりの人の多さに迷子になる恐れもある。
(実際なった。これは焦った。置いていかれたら
 ギリシャで生きていくしかない・・・)

話を訊いている皆もウンザリという表情だったが
極めつけは「じゃあ、10分後に下で待ち合わせね」と
ガイドが悪気もなく言い放ったこと。

遺跡を見る時間は正味5分。
まだ何も見ていない。

このときは皆、さすがに唖然とした。
怒りの表情を浮かべる者。
笑いながら首を振る者。



しかしながら男カワダに、
文句を言っている時間はない。

また走る!
機材を抱えて走るのだ!

イタリア人のあほー!



日本にいると差別を受けることは
それほどない(もしくは区別)。

しかしながら外国ではお金持ちと
庶民の差はあからさまなのだ。

船の舳先部分はVIPスペースになっていて
専用のキーがないと入ることはできない。

撮影のため、許可を経て、潜入。
あまりの静けさに愕然とする。

乗客はエレベーターに乗る時、
先に乗るよう譲ってくれる。

この旅、初めての経験なのだ。

ここでは誰も走っていないし、
バイキング料理を奪い合うこともない。


上はVIPのジャグジー。
誰も入っていない・・・。



我らが下界『キャキャー!」(まだ少ない方・・・)



天国「シーン・・・」



下界「ギャオー!」



天国「シーン・・・」



下界「どりゃー!」(涙)



確かギリシャのどこかの海岸。



何だか海の色が違うんですよね。
着色したような不思議な色。

映画「太陽がいっぱい」を
思い出させます。



クロアチア、ドゥブロヴニク旧市街。

今回、たくさんの世界遺産を回りましたが
クロアチアがいちばん良かった。



海にせり出した要塞のような街です。

街全体が高い壁に囲まれていて
戦いに備えている。

そんな時代があったのだ。



一週間の船旅も終わり。
ベニスに向かう。



ドイツを経て、成田に。

個人旅行で行くのは難しい
貴重なエーゲ海の船旅でした。

ありがとう!
グラーツィエ!

 

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