929 「カメラやって来る」 6月24日

来月はロケが続きそうな気配。

そして今のメインカメラも
ずいぶん長く使っている。

特に大きなトラブルがあったわけではないのだが
実用感度が800くらい(ソフトでノイズ取ってもこれ限界)。

感度を上げればシャドーのノイズも多く、
そこがフィルムっぽくて良かったところでもあるのだが
大きなトラブルになる前に、買い替えておこうと決めた。



なので買った。

少しでも軽量にしたいので
よほど魅力的なモデルが出ないかぎり
1D系を買うほどの動機は見当たらない。

1D系にしかない良さはいろいろあるけれど、
機材は出来るだけ小さくできれば嬉しい。

右、1Dsのバッテリーと充電器。
左、新しいカメラのもの。

なんでこんなにデカイんや・・・、と思っていたが
新しい充電器はサブカメラと共通なので
かなりの軽量化を達成できるのできるのであった。

他の人からするとどーでもいい話ではあるが
荷物を軽くすることを熱望する僕にとっては
涙がチョチョ切れるほど嬉しい。




発色の癖とか、いろいろ確認すべき事柄があるので
すぐに現場に投入!という訳にはいかないけれど
圧倒的に画質は良くなっているはずなので、楽しみなのだ。










 

 

928  「自分にとって大切なこと」 6月16日


自宅から50mほどのところに
モスバーガーがある。

時折,食べにいくが
接客はとても気持ちがいい。

たまに見習いみたいな子もいるが
自然なホスピタリティを感じる
フランチャイズには珍しい店だと思う。



先日、ある仕事でモスバーガーの社長である
櫻田厚さんとお会いする機会があった。

モスバーガー1号店である板橋成増店の
店長から社長になった,叩き上げである。

長らく接客仕事をしていたせいか、
物腰も柔らかく、人を見る視線も優しい。

多少の聞き違いがあるかもしれないが
こんなお話をされていた。

 

 




櫻田さんの話によると初めての店は
地元に根ざし、お客さんをとても大切にしていた。

訪れてくれる方の名前だって覚えていた。
楽しかったし、経営も順調だった。



そんなある日、店の向かい側に
世界最大のハンバーガーチェーン、
Mがオープンすることになった。

モスバーガーはわずか9坪。
Mは100坪。
10倍だった。

櫻田さんは悩みに悩んだ。
巨大企業の前では1店舗しかない
小さなハンバーガーショップなど
吹けば飛ぶような存在でしかなかった。

しかし急に新しい何かができるわけではない。

櫻田さんは今までやってきたことを
キチンとやろうと心に誓った。

お客さんと真摯に向き合う。
それしかない、と決めたのだ。



Mが開店した朝、9坪のモスバーガーには
常連客がひっきりなしに詰めかけた。

狭い店内にずっとお客さんが
途切れることはなかった。

午後になると今度は女子高生の集団がやって来て
櫻田さんに向かって力強く言った。

「店長!大丈夫、大丈夫!絶対、大丈夫だから!」

櫻田さんはその言葉を聞いて、嗚咽を漏らした。
調理カウンターの中にうずくまって、大泣きした。

店のスタッフは笑いながら
「店長、仕事ですよ」と声を掛けた。





櫻田さんはそんな話をして
涙を浮かべ、目頭をおさえた。

当然僕たち、10人ほどいたこちらの人間も
全員、感動し泣いたのだ。

取材のインタビューの話を聞いて
泣いたのは初めての経験かもしれない。








振る舞いというのはとても大事なことなんだな、と
ときおり思うことがある。

上手く行っているときは、不思議とどんなミスをしても
滞りなく事が運ぶし、自分の実力を勘違いしてしまうことも多い。

でも崖っぷちに立たされた時こそ、
人の本当の姿が見えるのだと、今は思う。




何が正しくて,何が間違っているとか、
そんなことは自分にもよく分からない。

どんな役割で何をやっているのか、
いろんな指標や全体像がが見えにくい
そんな世の中になりつつあると思う。

 

それゆえリアルに感触があるものぐらいは
大切にしようと常々思っている。

例えば身近な人との関係であったり、
誰かが与えてくれた仕事であったり。




昔は何でもかんでもメールで伝えていたが
今は難しい話ほど電話ですることにしている。

たとえ話がグダグタになったとしても
一生懸命に話せば伝わるのだ、と当たり前のことに
今さら気がついたりする。

気持ちが届くというか、
感情が伝わるのかもしれない。

それを文章で伝えることの大変さを考えれば、
もう電話した方が早い、といつも思う。




いろんなことがどんどん便利になり、
もちろん自分もその恩恵を受けている。

でも自分にとって大切なことは
もう少し違う場所にある気がしている。

まだ上手く言えないけれど。





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